季節感重視・ドライフルーツ満載のパウンドケーキを作る
今回は、先日挑戦したパウンドケーキの料理レポートをお届けします!
季節的にクリスマスや年末という年の瀬感満載のタイミングということで、景気よくドライフルーツをどっさり入れた重量感たっぷりのパウンドケーキに挑戦しました。
結果として、ブランデーの風味が実によく染みわたり、食べ飽きることのない濃厚でおいしいパウンドケーキに仕上がりました。
それでは、再現性を高めることができるように詳細に説明をしてまいりたいと思います。
レシピ・ギャラリー
材料
材料 | 数量 |
---|---|
卵 | 3個 |
全粒粉(製菓用,薄力) | 200g |
無塩バター | 100g |
はちみつ | 80g |
白砂糖 | 50g |
ベーキングパウダー | 1袋 |
アップルティー | 2袋 |
ブランデー | 30ml |
ドライフルーツのブランデー漬 | 400g |
粉砂糖 | 適量(デコレーション用) |
パウンドケーキ型 | 17.5cm x 6.5cm x 4.5cm, 3個 |
調理ポイント
私が今回のレシピでポイントと考えたのは以下の部分です。
- はちみつを加えた直後に、追加で粉を投入する。
- はちみつは液体だが、水分を含んでいないので、粉がダマになることなくサクっと溶けてくれるはず(仮説)
- はちみつによって、生地がサラサラになり、焼成時に焼き縮みをもらたすのではないか?(仮説)
- ということで、生地の構造をしっかりと強化するため、粉を追加投入する。
調理工程
湯せんを使いバターと全粒粉を混ぜて生地を作る
無塩バター100gを湯せんで溶かす
大きな鍋に水を張り、小さな気泡が浮いてくる程度に温めます。
そこにステンレス製のボウルを浮かべて、湯せんに使います。
湯せんの準備ができたら、無塩バター100gをボウルの中に入れます。
バターは、すぐに溶けていき、次の写真のような状態になります。
全粒粉をバターと混ぜる(フラワー・バッター法)
小麦粉を混ぜる際、水分を含まない液体(油分、糖分)と混ぜると、ダマになることなく非常にスムーズに混ざってくれます。
その性質を活用したフラワー・バッター法に従い、溶けたバターに全粒粉を150g加えて混ぜます。
こちらが今回使う全粒粉です。
富澤商店で購入した、製菓用の薄力全粒粉です。
含有タンパク質の量が、全粒強力粉(13g付近)より少ないので、確認する際のポイントになります。
今回のレシピでは、トータルで200gの全粒粉を使うのですが、バターと混ぜるのはそのうちの150gです。
残り50gは、生地にハチミツを加えた後に混ぜます。
全粒粉を溶けたバターの中にスプーンなどを使って入れます。
試しに全粒粉150gの全体の1/4ぐらいを加えて、どれくらいスムーズにバターと混ざるのか見てみます。
本当にサクっと溶けました!
1分もかかりませんでした!
150gの全粒粉の残りを加えます。
私の経験上、バターの量の2倍程度まで、小麦粉は問題なく溶けて混ざってくれます。
シリコンのへらを使って、かき混ぜると、バターが全粒粉に浸透して、見る見るうちに混ざり合ってゆきます。
順調に混ざり合っています、
全粒粉とバターが混ざり、生地となりました。
ハチミツを加え、残りの全粒粉と混ぜ合わせる
生地ができたら、ハチミツと混ぜます。
ハチミツと混ざると、生地がサラサラになるので、そこに残り50gの全粒粉を加えて混ぜます。
ハチミツ80gを生地に加えて混ぜる
使うハチミツの種類は特定のものに限定する必要はありませんので、お手元にあるハチミツをお使いいただければと思います。
写真中の透明な液体がハチミツです。
気温が低い時は、ハチミツをお湯やレンジ弱で温めておくと、サラサラになって扱いやすくなりますよ!
ハチミツと生地が混ざると、次の写真のような質感になります。
目安になさってください。
残りの全粒粉50gを加えて混ぜる
ハチミツと生地を混ぜたら、残りの全粒粉50gを生地に加えます。
ハチミツには水分がほとんど含まれていないため、小麦粉はダマになることなく、混ざってくれます。
ヘラでかき混ぜていきます。
生地と卵を混ぜる
生地と卵を混ぜます。
時短のため、全卵を生地にそのまま加え、ヘラでかき混ぜます。
泡だて器だと、生地がへばりついて、取り回しが難しいので、ヘラで混ぜる方が効率が良かったです。
卵を割って、中身をそのまま生地の上に落とします。
ヘラを使って混ぜていきます。
最初は、ヘラで生地をザクザクと切るような動きで混ぜます。
次第に、生地と卵がなじんできます。
生地と卵がなじんできたら、かき混ぜるような動きに次第に移行していきます。
以下の写真は、卵と生地が混ざり合った後のものです。
このようにちゃんと混ざります。
仕上がりの目安になさってください。
アップルティーの中身を生地に混ぜる
卵と生地を混ぜた後、アップルティーの中身を生地に混ぜます。
アップルティーの甘くてさわやかな香りと風味が、パウンドケーキと大変相性が良いのです。
特にドライフルーツを使う場合、アップルティーとの相乗効果が顕著に現れます。
(普通に、お湯を注いでアップルティーを淹れて、そこにドライフルーツを加えても大変おいしいですね!)
私の経験を通しても、アップルティーを加えるだけで、味わい深さが一段レベルアップする傾向を確認しています。
今回使うアップルティー
以下の写真は、私がいつも使うお気に入りのアップルティーです。
CLIPPERというブランドのものです。
パウンドケーキの材料に使ってよし、そのまま飲んでも良しの優れモノです。
アップルティーの中身を生地に加える
箱からアップルティーを2袋取り出します。
料理バサミなどを使い、袋の上部を切り取り、中身が見える状態にします。
袋を傾け、アップルティーの中身を生地に降り注ぎます。
アップルティーの中身は粒が大きいように見えますが、この後、生地の水分を吸って柔らかくなります。
実際の見た目は、以下の写真のようになります。
ヘラを使い、生地をまんべんなくかき混ぜます。
以下の状態を、アップルティーと生地を混ぜる際の仕上がりの目安になさってください。
ブランデーを混ぜる
続いて、生地にブランデーを加え、味に深みを与えます。
使うブランデーですが、お近くのスーパーや酒屋さんで入手できるもので大丈夫です。
こちらは私が良く使っているサントリーのブランデーです。
ブランデーのキャップや日本酒用のおちょこなど小さな容器を使って、ブランデーを計って、生地に加えます。
デジタルはかりの上にボウルを乗せて、ブランデーを加えた量を計ると良いでしょう。
以下の写真は、ブランデーを生地に注いだ後の様子です。
飴色の液体がブランデーです。
ブランデーを加えたら、ヘラを使って生地をかき混ぜます。
白砂糖を加える
続いて、白砂糖を生地に加えます。
白砂糖を加える前に、一度お皿に白砂糖を乗せ、スプーンなどを使って白砂糖の塊を砕いておきましょう。
(袋の上から指でつぶしても良いですよ)
白砂糖50gを生地に加えます。
今回は、ドライフルーツの量がかなり多いので、砂糖は控えめにしています。
(白砂糖をたっぷり入れると、かえって胸焼けをするような甘ったるさになる恐れがあります)
ヘラを使って、白砂糖を生地をよく混ぜ合わせます。
ドライフルーツをどっさり加える
あらかじめブランデーに漬けておいたドライフルーツを400g加えます。
ドライフルーツの準備の方法については、別エントリで紹介する予定です。
(容器の中にドライフルーツとブランデーを加え、3日ほど漬けておきます。それより長くても全く問題ありません。むしろ短いと、ブランデーがドライフルーツになじんでいないので、使えないです)
(追記:2019/12/31)ドライフルーツのブランデー漬けの作り方のレシピをアップしました!
ドライフルーツのブランデー漬け 今回は、ドライフルーツのブランデー漬けを作った際のレポートをお届けします。 ドライフルーツをブランデーに漬けると、製菓用素材としてミラクルな変身を遂げてくれます! カチカチのドライフルーツがしっとりとした柔[…]
こちらの写真は、私がいつも使っているドライフルーツのブランデー漬けです。
容器の中にドライフルーツを詰めた後、ドライフルーツを浸す高さまでブランデーを注いで、冷蔵庫で保存しておいたものです。
(ちなみに、容器内ではドライフルーツの糖分がブランデーに染み出しており、濃厚で味わい深いブランデーになっています。余談になりますが、ドライフルーツの味が染み出したブランデーは非常においしいですよ!)
今回は、このドライフルーツのブランデー漬けを400g、生地に加えます。
生地がドライフルーツで埋め尽くされるようなビジュアルです。
一見すると、生地の量が全く足りないんじゃないかと思ってしまいますが、混ぜるとちょうどよいバランスになります。
混ぜると、以下の写真のように、ドライフルーツが生地にちゃんと包まれます。
焼き型の準備
そろそろ焼き型の準備をしましょう!
今回は、100円ショップのダイソーで売っているパウンドケーキ型を使います。
私のお気に入りの焼き型です。
3つ入って100円(税別)なので、お買い得です。
生地を焼きあがた後、ケーキを綺麗に取り出せるように一工夫こらしておきます。
クッキングシートを紙パウンドケーキ型に以下の写真のように敷き詰めておきます。
私の場合、
- 料理バサミでクッキングシートを切り抜いて、
- ホッチキスを使って固定して、
クッキングシートを紙パウンドケーキ型に敷き詰めています。
ベーキングパウダーを加える
生地を焼き上げる直前に、ベーキングパウダーを混ぜます。
というのも、今回のレシピでは生地がPHが酸性に傾いているので(ハチミツも酸性、ドライフルーツの酸味も酸性)、ベーキングパウダーと反応しやすいと考えられるからです。
最初の段階からベーキングパウダーを混ぜると、作業をしているうちに反応が始まってしまい、オーブンに入れるころにはベーキングパウダーの発泡力がガクンと落ちている可能性があります。
という化学的な理由から、ベーキングパウダーを最終段階でようやく投入するというレシピにしています。
こちらの写真は、今回使うベーキングパウダーです。
いつも使っているお気に入りで、パイオニア企画のベーキングパウダーです。
少ない量で安定した発泡力を発揮してくれる優秀な品です。
ベーキングパウダーの封を切って、生地の上に中身を振りかけます。
木目の細かい粉なので、勢いをつけてドサっと振りかけると、煙が立ち上るのでご注意。
ヘラを使って、まんべんなくかき混ぜて、生地になじませます。
2分ほどかき混ぜた後です。
ベーキングパウダーが偏っている様子もなく、生地全体になじんでいます。
焼き型に生地を流し込む
ベーキングパウダーを生地になじませたら、いよいよ、生地を焼き型に流し込みます。
生地はどっしり&ねっとりしているので、スプーンを使って生地をボウルからかき出すようにして、流し込みます。
生地を流し込む量の目安ですが、焼き型の半分ぐらいです。
生地を流し込んだら、ハチミツを直線状に垂らしてラインを引きます。
焼いた後、このラインに沿って切れ目が入ることを期待しています。
下の写真で、透明な飴色の液体がうっすらと生地の上を走っているのが見えますが、それがハチミツで引いたラインです。
焼き上げる
焼き型に生地を流し込んだら、オーブンで170度・50分間焼きます。
熱の回り方には、お使いのオーブンごとのクセがあると思いますので、必要に応じで以下のような工夫をすると良いと思います。
- 生地の表面が焦げやすい場合は、20分ぐらい経過した時点でアルミホイルで表面を覆う
以下の写真は、私の家のオーブンレンジで生地を焼き上げた後の様子です。
別の角度から映した写真です。
ドライフルーツの姿が、ケーキの表面からも確認できます。
デコレーションをして仕上げる
粗熱が取れたら、ケーキを焼き型から取り出してデコレーションをしましょう!
以下の写真は、粗熱が取れたケーキを、焼き型から取り出し、製菓用調理プレート(木製)の上に置いた様子です。
ケーキを切って断面を見てみると、ドライフルーツの存在感がしっかりと感じられます。
ケーキを手に持ってみると、ずっしりとした重量感、中身が詰まっている感じが伝わってきます。
お好みの厚さに切って(私の場合は、2cm弱の厚さで切りました)、粉砂糖を茶こしでふるって、振りかけます。
クリスマスや年末という季節感に合わせて、降り積もった雪をイメージして、たっぷりと粉砂糖を振りかけました。
以上で完成です! お疲れ様でした!
おさらい
今回は、どっしり・ずっしりとした質感のケーキということで、ベーキングパウダーを1袋だけにしました。
お好みによっては、生地の部分をもっとフワッとさせたいケースもあると思います。
その時には、ベーキングパウダーをもう一袋追加しても良いと思います。
参考レシピ・サイト
ドライフルーツがどっさりと入った、贅沢なパウンドケーキを作りたいと思い立って、参考になりそうなレシピを調査しました。
- 焼成前にハチミツを焼き型に入った生地の上に直線状に垂らすことで、生地が割れてくれるという。これならば途中で包丁を入れて切れ目を入れる手間が省くことが出来る。
- ちなみに水分量(卵重量)と粉重量は、ほぼ1:1である。
- ドライフルーツ重量が粉量の約1.7倍で、断面におけるドライフルーツの存在感はハッキリと出ている。
- ドライフルーツ重量をもっと増やすと、どうなるだろうか?
- こちらはドライフルーツをとことん投入した特徴のあるレシピである。
粉重量の約3.6倍のドライフルーツを投入しており、かなりずっしりとした触感とのこと。- ドライフルーツ自体が甘いので、砂糖は少なくてもよさそうである。
- フルーツケーキ・アントルメというドライフルーツ全面に押し出したパウンドケーキ。
三越のオンラインストアで見つけた。
確かに断面に占めるドライフルーツの量が半端ではない。面積の50%がドライフルーツなのではないか。
お菓子が焼ける時のワクワク感は、いくつになっても幸せの時。 その香りに囲まれると、いつもの景色までキラキラして見えて…
- こちらはシュトーレン風パウンドケーキのレシピである。なんとイカしたレシピか。
ジャンルの垣根を飛び越えようと言うアプローチが挑戦的で素晴らしい。- ドライフルーツに加え、クルミを投入している。
- 粉砂糖をたっぷりかけると、シュトーレンらしいビジュアルに一気に近づくようだ。