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公開情報から浮かび上がる武漢の新型コロナ死者数の実態:中央政府発表の10~25倍の可能性

概要

 中国共産党の情報統制がほころび始めているためでしょうか、公開情報から断片をつなぎ合わせることで、新型コロナウイルスで武漢で死亡した人の人数が、公表された約2500人10倍~25倍になる可能性が出てきました。
 今回のエントリでは、公開情報分析のアプローチで、断片的な手掛かりをパズルのようにつなぎ合わせて、仮説を立てて推測したいと思います。

写真出典:大紀元

武漢市の骨壷配布で死者数隠ぺいの疑惑

武漢市が新型コロナウイルスで無くなった人々の遺灰を骨壷に入れて返却する作業を始めたのだが、どうも骨壷の数が中央政府が発表している約2500人という数字とまるで整合性が取れないようだ。

Radio Free Asia の記事を翻訳し分析している こちら のツイートによると、
武漢の7つ(他の記事では8つの模様。ケアレスミスか)の大型葬儀場は、毎日約500個の骨壷を遺族に渡しているという。
1日で約3,500個の骨壷を遺族に渡す計算となる。
(葬儀場が8つとすると、1日で約4,000個となる)

武漢の漢口区にある葬儀場に骨壷を配送した業者によると、1日だけで約5000個の骨壷を配達したとのことである。
葬儀場側は、3月23日から4月5日までの 12日間 をかけて、火葬を完了した遺灰を骨壷に収めて、遺族に渡すとしている。
地元住民は、火葬場の焼却炉をフル稼働させている様子を見ている。

ソーシャルメディア上では、4万2000個~約4万7000個 の骨壷を渡す計算になるという見積もりが広がっている。
地元住民の話によると、新型コロナウイルスの大流行の前は、1日あたり 220人前後 の火葬が行われていたという。
また、大流行の際には、中国各地から労働者が武漢に集められ、24時間体制で遺体の火葬作業に従事していたという証言がある。
さらに、武漢の市職員が、実態を口外しないことを条件に遺族に 3000元 の葬儀手当てを配っていることが証言されている。

日本テレビの報道AbemaTVでは、現地で撮影された葬儀場周辺の長い行列の様子が報道されており、行列の長さは200メートル、整理券が配られていた。

 1メートルに2人並ぶとしても400人である。1つの葬儀場だけで400人である。これが1日である。
このような葬儀場が武漢に7つあるとすれば、33,600人 分の遺骨が渡される計算になる。
(もし葬儀場が8つならば、38,400人となる)

 葬儀場が7つの場合:
  400人/日 x 7か所 x 12日 = 2,800人/日 x 12日 = 33,600人

  葬儀場が8つの場合:
  400人/日 x 8か所 x 12日 = 3,200人/日 x 12日 = 38,400人

情報統制をくぐりぬけた情報から見えてくるもの

 最近は、ソーシャルメディアやオンラインTV局などに、中国共産党の情報統制をくぐりぬけた情報が、これまで以上に見られるようになってきた。
 有益と思われるものを幾つかピックアップして、手掛かりとしたい。

骨壷を受け取りに来る人々の様子@武漢
骨壷を受け取りに来た人々の様子:
写真出典:大紀元

中国のソーシャルメディアにおいて、その分析力で高い知名度を得たという金融アナリストの財経冷眼氏(@charles984681)によると、武漢だけで死者数は 5万9000人、中国全体で97,000人、感染者総数は121万人とのことである。
資料

また、情報統制から漏れ出した現場職員の取材動画から情報が得られそうである。
こちら の記事によると、武漢市の火葬場職員の音声で、
火葬の実態について以下のヒントを断片的に述べているのを聞いたという。

1仕事量は通常の4~5倍になっている。
2.スタッフ110人 2~3時間睡眠(2交代制)スタッフがこれだけいるのにはびっくりです。
3.霊柩車9台 毎回運搬2人/台 不足の為のバンを改造して毎回7~8人の遺体を搬送。
4.この火葬場の焼却炉は11台(火葬炉は18台あるが、うち7台はダミーとの事。中国らしい・・)
5.死体償却必要時間 50分/人
6.死体 病院38パーセント 自宅61%
7この火葬場以外に市内には7カ所の火葬場がありほぼ同じ状況である。
8.火葬場に遺体の堆積はなし 病院に大量堆積 火葬場への搬送が間に合わない。

 先ほどの Radio Free Asia の記事の内容と符合するものが多い。
中国全土から労働者をかき集めて、不眠不休で火葬場を人海戦術で回していた様子がうかがえる。
死体の 61% が病院ではなく、自宅から運ばれたものとは驚きである。

各焼却炉が毎時間1人を火葬すると仮定すると、1日では 264人 を火葬する能力があることになる。

  24 x 11台 = 264人  

この火葬場以外にも同様の火葬場が7か所あるとすれば、武漢全体では、1日に 2,112人 の遺体を火葬することになる。

  264人 x 8か所 = 2,112人

この不眠不休の火葬作業が2カ月間続くとすると、単純計算で 63,360人 の遺体を火葬したことになる。
この値は、先ほどの金融アナリストの財経冷眼氏(@charles984681)の計算に近い数字である。

突如運び込まれた医療廃棄物焼却設備

中国語の独立系非営利メディア NTDTV(ニューヨーク) の報道によると(動画)、
2020/02/15の午後に、移動式の医療廃棄物焼却設備40基が武漢に搬入されたという。
その長さ20メートル、体積30立方メートル、毎日5トンの医療廃棄物を処理できる能力があるという。

しかも、この医療廃棄物処理の作業員の時給は2000元であり、異常に高額となっている。
大紀元による覆面調査により、武漢市の漢口区の火葬場では少なくとも1日で 225人
新型コロナによる死者の火葬が行われていたことが判明している。
こちら の記事の内容に基づいて見積もった 264人 という数字に近い値である。

まとめ:実態は公表数値の 10倍~25倍

これらの報道や情報を踏まえると、武漢市の新型コロナウイルスによる実際の死者数は、中央政府発表の10倍~25倍 と考えられる。

時間の経過と共に、中央政府の情報統制が効きづらくなり、実態が徐々に明るみになりつつあるようだ。

実際の感染者数がどれくらいの規模感になるかは、米国やイタリア、フランス、スペインの感染状況を参考に比較すればすぐに見えてくるだろう。

すなわち、中国共産党政府が発表した数字の 10倍~25倍、下手すれば 30倍 の数字が、新型コロナウイルスの感染の実態であることが明らかになるのではないか。

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