神話が崩壊する時代
神話が崩壊する時代に、我々は立ち合っているのだろうか。(いかん、カッコ付け過ぎた!)
約9年前に自分自身も当事者となった(=被災者となった)3.11東日本大震災では、原発神話が崩壊した。
この最近、目にするニュースを俯瞰すると、大企業に勤めている人たちの苦境が報じられているのが目立つ。
ざっくりと主観的に要約すると、現時点では業績は悪くない、それどころか好調だというのに、
早期退職制度を主としたリストラクチャリングに手を付けるというものである。
すなわちこれは、少なくとも自分から見て、大企業神話・年功序列神話の崩壊を予期させるものである。
リストラクチャリングを文字通りに解釈すれば、「適材適所を促進する」という前向きな意味な訳だが、 記事を読み漁ってみると、急速な時代の変化=仕事の仕方の変化が生じ、それにキャッチアップできない人がジワジワとお払い箱に押し込まれているというシーンが浮かぶ。
という悲観的なニュースの一方で、社員が受け取るボーナスがここ数年で最高水準となった企業の話など、 景気が良いニュースも散見される。(散見どころか、事欠かないレベル)
これらの対照的な報道が混然一体となっている状況を見て感じ取るのは、「いたるところで二極化が進んでいる」ということである。
二極化と神話の崩壊のつながり
しばらく前までは、「大企業に就職出来れば一生安泰」というのが共通の価値観であったように思う。
(というものの、割と前からリストラという言葉はあったが、それでも大丈夫!私はリストラとは無縁である!みたいな楽観論が大勢を占めていたように思う)
大企業に勤める恩恵は、今でも健在だと自分でも思う。
実際に大企業に勤めたこともあるので実感するが、仕事が人並み以上にできるならば、(所属部署にもよると思うが)程よく働き、プライベートを悠々自適に満喫するライフスタイルは十分可能である。
馬鹿みたいに忙しい部署であっても、飲み会やらイベントも頻繁にあったりして(会社の飲み会というよりは、横のつながり的な飲み会やイベント)、仕事だけでなくプライベートもセットで忙しくなり、結果としては(体力消耗はするが)なかなか充実したライフスタイルを送れそうに見えた。
だが、そこには、まだ明瞭な言語化には至らないかもしれないが、ゆるぎない、普遍的な前提条件があるような気がする。
それは、ビジネス環境の変化に一定程度の水準以上のキャッチアップが出来ていることである。
エンジニア系の職種であれば、テクノロジーの進歩に程よい距離感で追いついて、日々の仕事に支障のないように学習ができていること、
ビジネス系の職種でも、ビジネスの仕方の変化や新しい概念、アプローチへの対応・キャッチアップといったことができていること。
そうした、環境の変化にそれなりに(あるいは、それ以上)適応できていることが前提であるように思う。
言われてみれば至極当然なのだが、歴史のある大きな企業では、環境の変化に落伍・脱落していても安泰(=特にお給料面で)というのが大前提・当たり前と認識されていたようだ。
それは、年功序列体制を守り、その整合性を堅持するために、環境の変化に適応できない人材にも高い報酬を与え続けることが必須だったことは、周知のとおりだろう。
これまでは。
それが、ここ最近になって、右ならえなのか、みんなで渡れば怖くないナントカなのか、同時多発的に歴史を持つ大企業が一斉に、早期退職制度を全面的に打ち出して、環境に適応できない人材を放逐しようとしている(ように見える)。
(恐らく、トヨタが先陣を切ったのを見て安心して、一斉に、終身雇用ピリオド宣言をし始めたように見える)
長くなってしまったが、環境の変化に適応できる/出来ないの指標で、各人の運命・境遇が二極化する、それも年功序列神話の守護神であった大企業でも例外ではなくなりつつあるということが言いたかった。
切り口を増やしてみるとフレームワークが見えてくる
会社内だけでなく、業種・業界、会社、職種といった切り口で見ても、二極化の傾向はそこはかとなく感じられる。
- これから伸びる業種・業界/傾いてゆく業種・業界
- これから伸びる会社/沈む会社
-
これから伸びる職種/消滅に向かう職種
切り口の数を次元ととらえれば、他次元マトリクス的に分類して考えるフレームワークが作れそうである。
例えば、業種・業界と会社の切り口で見ると、
- 斜陽産業といわれる業種だが、これまでの仕事のやり方をテクノロジーの力で刷新する・再定義する 勢いのある新興企業
-
伸び盛りの業種・業界であっても、熾烈な競争に敗れて傾いてゆく会社
といった具合に分類することができる。職種も加えると、さらにバリエーションは多彩になる。
業種・業界>会社>職種 の順に、個人にとって近い切り口になる。
一番ベストは、
- 伸び盛りの業種・業界で、
- 勢いがある会社に就職or転職し、
-
職種も需要がこれから高いものに就く
というケースだろう。ここで述べたように、(業種・業界, 会社, 職種) の3つの観点から、自分の立ち位置を分析して生存戦略を立てると、状況把握がしやすく、今後の展望が見通しやすくなるのではないだろうか。
時代の流れを読むとか、潮流を見る、という抽象的な表現を、具体的な行動にブレイクダウンすると、上記のような分析や状況把握になるのではないかと感じた次第である。
じゃあ、あなた自身はどうなのか?
という質問が自分に跳ね返ってきそうである。
手前味噌であるが、自分としては、次のように分析している。
- 業種・業界
- 人工知能やデジタルトランスフォーメーションを推進する業種・業界
- 間違いなくこれからの時代をけん引するのではないか、と信じている。
- 会社
- 人工知能やデジタルトランスフォーメーションを推進する企業群の中でも、人材・ブランド・実績共に非常に高い水準にある(相対的に見て)
-
職種
- 人工知能やデジタルトランスフォーメーションの推進において、不可欠な職種に属している。
- データサイエンティスト
- 機械学習エンジニア
- ソフトウェアエンジニア
- インフラエンジニア
これだけ言ってのけたからには、実現すべく必死になるしかない。(いかん、自分の首を絞めてしまったか・・・)
日々、調査・学習・実験、振り返り、考察の繰り返しである。
それをたゆまずに続け、変化し続ける環境に自分なりの最速でキャッチアップし続けたい───が、積ん読の技術書やビジネス書、ブログエントリーに論文、ニュース、ブログ投稿ネタの素材…本当に時間がいくらあっても足りる感じがしない。 - 人工知能やデジタルトランスフォーメーションの推進において、不可欠な職種に属している。
少々命削って頑張るしかないか。
となれば、スロートレーニングで睡眠の質をガツンと引き上げ(=睡眠時間を圧縮)、活動時間を確保し、さらに生産性も引き上げて、環境変化にキャッチアップと参りたい。