葛根を煎じてみた
先日アップしたエントリで、野生の葛根を掘り起こした様子を紹介しました。
今回のエントリでは、掘り起こした葛根を加工して、実際に煎じて葛根湯
(※)をこしらえて、テイスティングした時のことを紹介します!
※市販の葛根湯には、葛根以外にマオウ、ケイヒ、シャクヤク、カンゾウといった生薬が配合されています。
本当に、甘苦い味でザ・漢方!という味のお茶ができたんです。「なるほど、葛根湯はこうやって作るのか」という感覚をつかめたように思います。
ギャラリー
葛根を加工して煎じてみた(一回目)
水洗いした葛根の束の中から、扱いやすそうな大きなのものを1本取り出し、Googleで情報収集しながら葛根を加工する方法を探りました。
もともと日本では、葛もち
という伝統食品がありますが、その葛もちを手作りする体験教室の様子のブログ記事などを参考にしました。
葛もちを作る工程では、掘り出した葛の根を丈夫な瓶などで叩いて、繊維をほぐして水に漬ける模様です。
確かに繊維をほぐすと、水と接する表面積が非常に大きくなるので、薬効成分を溶かし出す上で合理的です。
まずは、葛根を細い繊維状にバラしてゆく方法を探ります。
葛根を繊維状にほぐす
掘り起こした葛根を眺めると、繊維質がはっきりと確認できます。
ピーラーで表皮をむいてゆくと、みずみずしい繊維質がピーラーに絡まります。
瓶など硬いもので叩けばほぐすことはできそうですが、もっと簡単に、割けてるチーズ
みたいに指で小さくほぐせないものかな?と思って、試してみたら、簡単に割いてほぐすことができそうでした。
コツをつかんで、線維の方向に沿って、少しずつ包丁と指を使って、葛根を割いていきます。
感覚はまさに、割けてるチーズをほぐすのに近いですね。
包丁で皮をむくように刃を入れて、ある程度切れ目を入れたら、指でつかんで、スーッと引っ張ります。
すると以下の写真のように、割いてほぐした葛根がどんどん出来上がります。
サンプルの葛根を全て繊維状にほぐしたら、鍋の準備をして、煎じるとしましょう!
繊維状にほぐした葛根を鍋で煎じる
鍋に繊維状にほぐした葛根を入れ、水を注いで、コンロで加熱します。
水を注ぐとたちまちのうちに、水の色が茶色を帯び始めました。
葛根の成分が水に染み出しているようです。
葛根を煎じめつつ、適宜、浮いてきたアクを掬い取ります。
葛根を煎じていると、ゴボウを煮ているような匂いが立ち上ってきます。
湯の色も、いかにも葛根湯を思わせる茶色に変化しています。
スプーンですくって味見をしてみると、薄いものの甘苦い味がします。漢方テイストを想起させる味わいです。
加工の方向性は、間違ってはなさそうです。
1時間ほど弱火でじっくりと加熱し、水を飛ばしました。
葛根の成分を濃縮したので、スプーンで味見をすると、市販の葛根湯に近い味になっていました。
そろそろ火を止めて良いでしょう。
手作り葛根湯テイスティング!
火を止めて、鍋から葛根を取り出します。
おたまを使い、茶碗に注いでテイスティングをしました。
味は、ハッキリと甘苦く、漢方薬的なテイストです。
そして、飲むと体が温まるのを感じます。
特に印象的だったのは、手の平がポカポカしてきたことです。
体を温めて、風邪の初期症状に対処する葛根湯のメカニズムを感じさせます。
上手くいった模様!
ということで、恐る恐る、ネットを調べつつ、断片的な情報を手掛かりに工程をつないで葛根を加工してみたわけですが、無事に葛根湯を作ることが出来ました。
葛根湯の量産に挑戦
掘り起こした葛根は、まだまだあります。
手作り葛根湯を家族も所望したので、量産してみました。
少し大きめの葛根をピックアップ&加工
手順は分かってきたので、もう少し大きめの葛根をピックアップして量産にチャレンジです。
ピーラーで葛根の皮をむいていきます。
繊維質が頑丈なので、ひっかかりやすいです。
一気に皮をむこうとすると途中でひっかかるので、小刻みに動かしながら皮をむくと良さそうです。
一通り皮をむいたところです。
皮をむいた直後は白いのですが、空気に触れると次第に茶色になってきます。
急いで加工を進めましょう!
先ほどと同じく、包丁と指を使って、繊維質を割いていきます。
黙々と繊維を割いてほぐしていきます。。。
やっと完了!
葛根を煎じる
鍋に水を張り、葛根を加えて煮詰めます。
先ほどと比べ、濃いエキスが抽出できそうです。
使っている葛根の量を増やしていますからね。
湯の色が、茶色くなり、葛根湯らしくなってきました!
無事に、葛根の加工工程の再現性を確認できそうです。
細かい葛根の欠片が浮いているので、目の細かい茶漉しを使ってフィルタします。
葛根湯量産成功!
おかわりの分も含め、十分な量の葛根湯ができました!
茶漉しでフィルタしているので、繊維質が混じることなく、すっきりとした甘苦さの味を楽しめました。
まとめ:葛根湯の作り方が分かってきた
今までは、畑の手ごわい邪魔者として扱ってきた葛ですが、掘り起こした根っこから葛根湯が作れると分かって見方が変わりました。
これまでは適当に掘り起こして捨てていた葛の根が、有益な価値を持つ生薬ということが実体験を伴って理解できたのは大きな経験です。
畑には、まだまだ葛の根が埋まっているみたいなので、葛根の薬酒作り
(※)にもいずれ挑戦したいですね!
(※)養命酒みたいなイメージ
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